柘植伊佐夫が『ガス人間』で竹野内豊を激変!眉なし・出っ歯メイクの狙いとは?

Netflixシリーズ『ガス人間』で、竹野内豊さんが見せた別人のような姿が注目を集めています。

竹野内豊さんといえば、端正な顔立ちや落ち着いた雰囲気、スマートな役柄の印象が強い俳優です。

ところが本作では、眉がほとんど見えず、歯が前に出たような口元、光沢のある長いオールバックという、これまでとは正反対の風貌で登場しました。

人物デザイン監修と衣裳デザインを担当したのは、人物デザイナーの柘植伊佐夫さんです。

柘植さんは竹野内さんの美しさを生かすのではなく、あえて崩すことで、元ヤクザの社長・森靖利という人物を作り上げました。

この記事では柘植さんがどの様にしてメイクしていったかを深堀していきます!

目次

柘植伊佐夫が担当した『ガス人間』の人物デザイン

メイクだけでなく衣裳や髪型まで設計

柘植伊佐夫さんが『ガス人間』で担当したのは、一般的なヘアメイクだけではありません。

公式サイトでは、柘植さんの役職が「人物デザイン監修・衣裳デザイン」と記載されています。

つまり、顔のメイク、髪型、衣裳、全体のシルエットを組み合わせ、登場人物がどのような人生を歩んできたのかまで表現する仕事ですね。

竹野内豊さんが演じた森靖利は、元ヤクザでありながら、現在は上場企業の社長という人物です。

社会的には成功者に見える一方、裏では黒い噂が絶えません。

竹野内さんが本来持っている清潔感や品の良さをそのまま残してしまうと、森の粗暴さや裏社会とのつながりが弱く見えてしまいます。

そこで柘植さんは、竹野内さん本人だとすぐには分からないほど、外見の印象を変える方針を選びました。

『シン・ゴジラ』以来の信頼関係

柘植伊佐夫さんと竹野内豊さんは、2016年公開の映画『シン・ゴジラ』でも一緒に仕事をしています。

『シン・ゴジラ』で竹野内さんが演じたのは、冷静で知的な内閣総理大臣補佐官でした。

一方、『ガス人間』の森靖利は、見るからに危険な雰囲気を漂わせる元ヤクザです。

同じ俳優でありながら、正反対の人物像を作ることになりました。

柘植さんによると、竹野内さんは今回の大胆な人物デザインについても強い信頼を寄せていたといいます。

俳優側の理解があったからこそ、顔立ちを大きく変える思い切ったメイクが実現したのだと思います!

竹野内豊を別人に変えたメイクのポイント

眉を消して表情を読みにくくした

竹野内豊さんの変化で、最初に目に入るのが眉です。

森靖利の顔には、竹野内さん本来の整った眉がほとんどありません。

眉は顔の印象を決める重要な部分であり、眉尻の角度や濃さによって、優しさや知性、清潔感が大きく変わります。

竹野内さんの眉を目立たなくすることで、普段の穏やかで知的な印象が薄れ、どこか感情を読み取りにくい顔になり、単に怖い眉を描き足すのではなく、眉そのものを消す方向にしたところが特徴的ですよね!

これだけでも普段の竹野内さんの顔と激変ですよね!

マウスピースで歯と骨格の印象を変えた

さらに大きな変化を生んだのが、口元です。

竹野内さんは撮影時にマウスピースを使用し、歯が前に出ているように見せています。

口元が前に出ることで頬や顎周辺の見え方まで変わり、顔全体の骨格が普段とは違って見えるようになりました。

『ガス人間』における主な変化をまとめると、次のようになります。

・眉を目立たなくする
・肌を日焼けした色に変える
・マウスピースで歯を前に出す
・口元から顔の骨格を違って見せる
・髪に強い光沢を出す
・オールバックにして襟足を長くする

一つだけを見ると小さな変化ですが、すべてを組み合わせることで、竹野内豊さんらしい上品さがほとんど感じられない姿になっていますね。

テカリのある長いオールバック

森靖利の髪型も、人物の印象を決める重要な要素です。

前髪を完全に上げ、髪全体に強い光沢を持たせ、襟足を長く残しています。

昔ながらの任侠映画に登場する人物を思わせる一方で、森は上場企業の社長でもあるため、衣裳自体は一定の高級感を保っています。

きちんとした服を着ているのに、髪型や顔つきからは危険な雰囲気が消えない。このアンバランスさが、表向きの肩書と裏の顔を同時に表しているのだと思います。

また、作中に登場するほかのヤクザたちの髪型も、森靖利のスタイルを基本にしてデザインされたといいます。

森を中心に外見上のルールを作ることで、裏社会に生きる人物たちに統一感が生まれた感じですね。

もうここまでくると竹野内さんらしさは全て打ち消されもはや別人になっていますよね!

職人の技ですね!

なぜ竹野内豊の美しさを崩したのか

森靖利は一目で悪人だと分かる人物

柘植伊佐夫さんは、森靖利を「外見から悪人だと分かる人物」として設計しています。

森は恐ろしい存在ですが、悪事を隠して善人を装うタイプではありません。

見た目、態度、話し方のすべてから危険性が伝わってきます。

ただし、竹野内豊さんは整った顔立ちとスマートな印象を持つため、普通のメイクでは悪人らしさよりも格好良さが勝ってしまう可能性があります。

そこで、竹野内さん本来の魅力を少し残しながら悪役らしくするのではなく、本人の印象そのものを壊すところから人物作りが始まりました。

美形俳優だからこそ変化が際立った

竹野内豊さんほど広く顔を知られている俳優を、誰だか分からない姿に変えることには大きな効果があります。

最初から強面の俳優を起用した場合、森靖利が悪人であることは自然に伝わります。

しかし、普段は上品で落ち着いた役柄の多い竹野内さんが変貌することで、視聴者に強烈な違和感を与えられます。

その違和感は、森が普通の企業経営者ではなく、過去に裏社会で生きてきた人物であることを説明する役割も果たしています。

柘植さんが行ったのは、竹野内さんを単純に醜く見せる作業ではありません。

整った顔を意図的に崩し、森靖利という人物が歩んできた荒れた人生を顔に刻み込む作業だったと考えられますね。

柘植伊佐夫のデザインが作品に与えた効果

登場した瞬間に人物の背景が伝わる

『ガス人間』には、小栗旬さん、蒼井優さん、広瀬すずさん、林遣都さん、UTAさんなど、個性の異なる俳優が出演しています。

その中でも竹野内豊さんの森靖利は、登場した瞬間に危険人物であることが伝わるキャラクターです。

詳しい過去や悪事が説明される前から、視聴者は森に対して警戒心を抱きます。

これは竹野内さんの演技だけでなく、眉、歯、髪、肌、衣裳を一体化した人物デザインの力といえるでしょう。

一方、タイトルロールとなるガス人間には、ブルーグレーのロングコートが提案されました。

人間らしさを失った無機質な存在と、分かりやすく欲望をむき出しにする森靖利。

異なる外見を持つ人物を並べることで、作品全体の不気味さが強調されています。

特殊な存在より生身の人間が怖く見える

『ガス人間』では、気体に変化する怪人が登場します。

しかし、森靖利の姿から感じられる怖さは、超常的なものではありません。金、権力、暴力によって他人を支配しようとする、生身の人間が持つ怖さです。

ガス人間の映像には大規模なVFXが使われていますが、森靖利はメイクや衣裳という現実的な方法で作られています。

幻想的な怪人と、生々しい悪人を対比させることで、「本当に恐ろしいのはどちらなのか」と考えさせる構造になっています。

まとめ

柘植伊佐夫さんが『ガス人間』で手掛けた竹野内豊さんの人物デザインは、俳優本人の魅力を引き立てる一般的なメイクとは正反対でした。

・眉を消して表情を変える
・マウスピースで歯と骨格の印象を変える
・日焼けした肌で荒々しさを加える
・光沢のあるオールバックと長い襟足にする
・衣裳を含めて元ヤクザの社長らしさを作る

竹野内豊さんの端正な顔立ちや上品さをあえて崩したことで、森靖利という人物の悪意や過去が、説明される前から伝わってきます。

話題になった「眉なし」「出っ歯」という外見は、単なる視聴者への驚きではありません。

柘植伊佐夫さんが森靖利の性格や立場を細かく分析したうえで導き出した、物語に必要なメイクだったのですね!

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